長期包括契約、住民監査 陳述文書

 すでに監査請求書を提出していますが、下記捕捉します。

1)内容上の問題-安くなるというのは、本当か?

 清掃工場の焼却炉の建設上の経費や運営管理の費用については、販売価格や取引価格が公にされているものはあるのか?とすると安くなるというのは、柳泉組合のこれまでの取引価格から言って、何%が安くなるということにすぎない。これまでの価格が一般的にもそん色ない通常の価格であったことが、証拠立てされない限り、「安くなる」は無意味といえる。

 やはりその都度一般競争入札して価格を引き下げるように努力するしかない。

   長期包括契約の提案理由は、長期契約によって安くなるということである。しかしこれまで各種情報で、指摘されてきているメリットは、焼却炉メーカやその下請けなどの管理メーカにとって、有利になるというものであり、自治体にとってのメリットは疑問だ。

   ごみ処理量は、構成3市いずれも減っている。過去のデータをもとに、ごみ量を推計し、それにかかる費用と比較して「安く」なるは、根拠を持たない。

ごみ処理基本計画は、10年後までかつ5年での見直しを行う。それとの整合性が取れない。

2)手続き上の問題―お金を出す市民に事実が知らされていないーとその財務会計上の問題

なぜ今長期包括契約が、必要なのかが、柳泉園組合や構成市の実情から説明されていないため、その契約によって「何を委託し」「何が従来とは変わるのか」「これまで柳泉園組合の職員がやっていた仕事がどうなるのか」など論議されず、契約内容が分からないまま契約を結ぶといった状態になっている。

   今回の入札決定の経過を見ると、構成自治体の議員から選ばれ、代表する柳泉園組合議会で決まったといっても、「長期包括契約案」の内容を、事前に構成自治体議員に示し、意見の集約も行っていない。また決定後も、同議会に諮るなど行っていない。まったく闇の中での契約推進である。

   契約金を支払う構成自治体での議論がないため、この契約によって、自治体に今後どのような負担があるか。「安くなる」といっても、構成市の負担金がどのようになるか?まったく闇の中である。

   柳泉園組合での議論でも、契約によって今後かかる15年にわたる単年度ごとの費用やその予算の手当てなど財政上の問題が、提案、議論されていない。

 

   その最大の問題として、柳泉園組合が今回の契約によって、費用支出する財源は、構成市の分担金で担保されると考えられるが、それらの構成市でのその旨の議論も何も行われていない。少なくとも柳泉園組合の管理者(副管理者)は、今回の提案に際して、構成市での確認を行うべきであった。

3)長期、包括契約を結ぶにあったっての法令上の問題

・ ごみの処理、災害にあたっての災害廃棄物の処理は、自治法第2条で自治体の役割とされている。一方廃棄物処理法でも第6条の1項、2項に自治体(市町村)の役割が明記されている。

「長期」に「包括」的に民間業者に委託することは、自治体の業務を丸投げ委託することになり、これら法に反する。

・ 平成16年5月26日に自治法改定で、単年度契約だけでなく「長期継続契約」の締結は、法律的に可能となっているが、その時の条件は

①「その性質上、翌年度以降にわたり契約締結しなければ、当該契約に支障を与えるもの」②「当該自治体の条例で定めているもの」となっている。

 長期包括は、このいずれにも抵触する。

・ 廃棄物処理法第6条第2項 当該自治体は一般廃棄物処理基本計画に基づき、廃棄物処理を進めなければならないとあり、現行の処理計画(10年後まで)を超える契約になっている。

・ 予算案の審議にあたって、地方自治法施行令144条に基づき、予算の説明を行っていない。

4)その他 債務負担行為についての予算審議上の問題

・ 予算に関する説明の欠如―地方自治法144条

・ 一部事務組合の予算審議にあたり通知すべき議決 地方自治法211条の2