皆様へ
先にご紹介していた柳泉園組合議会が、2月23日(金)に開催されました。
すでに阿部洋二さんから報告がされていますが、
川井さんの報告も下記のように届いています。
柳泉園組合議会、長期包括委託契約法令違反、傍聴記(川井)
http://16915802.at.webry.info/201802/article_5.html
ぜひご覧ください。
概要を報告いたします。
1) 長期包括契約、2018年度分は約10億円。分担金との関係は?
柳泉園組合の今回の議会は、2018年度全体の予算を決める3月本会議でした。
要点だけを述べると
年度全体の予算は、 26億4、549万2千円
3市(西東京市、東久留米市、清瀬市)の分担金は、
13億 632万4千円
そして長期包括契約の今年度支払い分は、
10億2,207万3千円
でした。
長期包括契約分は、 全体予算の約4割にもなっていました。
一方その長期包括契約の30年の予算額を見ると下記のような内容でした。
固定費A(維持管理費等)4億8923万4千円
固定費B(大規模補修等)3億8999万3千円
変動費 5813万7千円
消費税 7570万9千円
合計 10億2,207万3千円
誰もが考えるのは、起債による借金返済が終わった柳泉園組合の予算が、この長期包括契約が無ければ、どれだけ縮小していたかということです。残念ながらその質問はありませんでした。
単純に計算すると
26億4、549万2千円ー 10億2,207万3千円=16億2341万9千円
ということになりますが、実際はどうなのでしょうか?
もう少し正確に計算すると
長期包括契約の内訳は、概略、固定費Aと固定費Bに分けられます。
固定費Aは、これまでの柳泉園組合の一般会計予算の中に組み込まれていた維持管理費等であるために、長期包括契約を行っていなくても、その分の経費が掛かかります。(もちろん今回は、かなり水増しされている怖れがあります。)
固定費Bは、大規模補修事業であるため、今回の契約を結んでいなければ、必要ない経費です。その分が約4億円です。
では、大規模改修工事は、今必要だったのでしょうか?
柳泉園組合の焼却炉―クリーポートは、2000年11月に竣工し、2017年に起債の償還を終えたばかりで、まだ建設から約15年しか経っていません。この耐用年数は、30年あると言われていました。しかも毎年数億円をかけて定期点検工事を行っています。実際、ごみ清掃の焼却工場が、わずか15年で大規模改修に入るなど、他では聞いたことがありません。
この点のチェック無しに契約を結ぶのは、焼却炉メーカにお金を流すだけの契約と言えます。
長期包括契約を結んでいなければ、この点を考えると
26億4、549万2千円ー3億8999万3千円=22億5549万9千円
で済んだことになります。
この分は、ストレートに3市の分担金に響くため、
長期包括契約を結んでいなければ 3市の分担金は、約9億円に減ります。
13億 632万4千円ー3億8999万3千円=9億1633万1千円
これが、今回の議会の傍聴を通して分かった一番印象に残ったことです。もし長期包括契約が無ければ、3市(各市)は、1~2億円分担金が減っていたということです。
ところが、この柳泉園組合の2018年度予算には、なんと全員が賛成してしまいました。
見かけ上の柳泉園組合の全体予算が、約26億円であり、長期包括契約予算が約10億円ということは、分かったはずであり、これだけ問題になっているのに、 長期包括契約が無ければ、どのくらいの予算額になるのか?と言う質問すら出ず、全員賛成でした。
3市では野党議員として立場を明らかにしている議員が、なぜ柳泉園組合では、これだけのずさんな契約予算に賛成したのか。是非住民に対して説明してほしいと思います。
2) 予定価格と落札価格の驚く違いの理由の説明を求める陳情は、採択。
この予算案の議題の後、阿部洋二さんから出された陳情2件が、議題に上り、第1の陳情は、既報のように参加議員8名の内、賛成5で採択されました。
第1陳情は、昨年の本件契約が、柳泉園組合議会に提案された時(2017年4月20日)に、清瀬市の小西議員が、固定費B(大規模改修工事費)の、予定価格と落札価格が32億円も異なっていたと問題にしていた案件です。
そこでの柳泉園組合の答弁では、企業努力によって減らしたという答弁でしたが、小西議員は納得せず何度も理由を聞きましたが、まともな答弁は返ってきませんでした。
長期包括契約は、内容の上で、固定費Aと固定費Bで構成されています。問題なのは、固定費Bでは、32億円安くなっているのに、全体の費用が安くなったのは、11億円でした。つまり固定費A等が、予定価格よりも約21億円も割り増しで落札していたのです。これは大問題です。(下記表1参照。)
表1 長期包括契約の予定価格と落差価格 (単位億円)
総費用 固定費A(維持管理等)等 固定費B(大規模改修)
予定価格 144 (53) 71
落札価格 133 74 39
差額 ▲11 △21 ▲32
小西議員は、その割り増し増加した点について質問していませんでしたが、今回の阿部さんの陳情では、問題にしていました。
今回の柳泉園組合の長期包括契約のこの点での問題は、
① 固定費Aと固定費Bそれぞれの予定価格と大きく異なっていたということです。
これだけ予定価格と落札価格が異なっていれば、予定価格を設定した柳泉園組合の検討内容の信用性が問題になり検証も必要になってきます。
(固定費Bは、もともと71億円と言っていたものが、39億円になり、ほぼ予定価格の4割にもなります。どれだけずさんな契約だったかが分かります。)
② その上、固定費A等については、逆に予定価格よりは、20億円も増額していました。予定価格より20億円も増額する入札価格を善しとするのは、前代未聞です。
当日の柳泉園組合の答弁がふるっていました。
大規模改修工事費が安くなったのは、天井を壊す工事方法を取らなかったため安くなったと支離滅裂な答弁を行い、一方維持管理費が増額されたという点については、運転管理の要員が、18人になった(今までの12人から)と答弁しました。これまでの何年間も運転管理してきた人員体制を勝手に増加してそれで善しする入札など聞いたことがありません。
さすが、この陳情は、採択され、柳泉園組合は、今後、この予定価格と落札価格の違いについて陳情の求めに応じて、説明することになりました。皆さん注目しましょう。
3) 請負契約ならば最初からなぜやり直さないのか?を問う第2の陳情。
第2の陳情の背景は、昨年の臨時議会(2017年4月20日)にあります。
柳泉園組合は、これまで長期包括契約を委託契約と言ってきました。
委託契約ならば、柳泉園組合の条例に照らしても、金額の過多にかかわらず、議会の承認を得ることは必要ありません。
ところが昨年、柳泉園組合の顧問弁護士に相談し、大規模改修工事が、契約に入っていたから議会の承認を諮る必要があると、急きょ臨時議会を開き提案したのです。
工事契約は、建設業法上、請負契約に当たります。柳泉園組合自身が、長期包括契約を工事契約、すなわち請負契約として取り扱いを訂正し、その件で、助役の処分まで行っていたのです。
そこで今回提出した陳情2は、この点を捉えて、長期包括契約の契約内容を、議会で承認を売ればよいということではなく、請負契約ならば、当初の入札から設計図面や仕様書、工程表を示し、入札をやり直すべきと求めたものです。
運転管理やその他の定常業務への就業などの場合は、委託契約となりますが、工事契約は、発注する事業者(今回は柳泉園組合)が、成果物を示し、請け負った業者が成果物を要望通りに完成させたかを点検・確認する必要があります。
この点を問うたのが陳情第2号でした。
予定価格と落札価格の驚くような差異の問題も、柳泉園組合が、長期包括契約を、請負委託契約として取り扱わず、大規模補修工事として何を、どのように変えて行くのかの精緻な検討を行っていなかった点に要因があると考えられます。
ところが、これにはまたまた全員が賛成しませんでした。賛否の討論の中では、東久留米市の村山議員が、陳情に反対する討論を唯一行いました。柳泉園組合と住友重機関連会社との官民癒着が取りざたされているときに、長期包括契約の「闇」に蓋をする対応を取ったのは、驚きでした。
賛成しなかった議員は、理由を明らかにしてほしいと思います。
市民発!柳泉園組合長期包括契約問題